AIDで生まれるということ
精子提供で生まれた子どもたちの声

非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ(DOG)
/長沖暁子(慶應義塾大学経済学部准教授)編著

四六判並製 208頁 定価(1800円+税)
ISBN978-4-907961-00-8 C0047
2014年5月1日発行
2014年6月24日2刷発行
2015年2月16日3刷発行

■電子書籍版
2017年10月20日発行

装幀:臼井新太郎

■紹介されたメディア:東京、日経、新潟日報、中日、社会新報、読売、毎日、信濃毎日、ふぇみんの各紙、ジュンク堂PR誌「書標」、TBSテレビ「報道特集」、テレビ朝日「スーパーJチャンネル」、「婦人公論」7/22号書評欄、朝日新聞書評欄(7/13)、月刊『KOKUTAI(医師国試対策)』8月号書評欄、切り抜き情報誌『女性情報』8月号、TBSラジオ「荻上チキのSession22」、『月刊 We learn(ウィラーン)』9月号書評欄、『法学セミナー』10月号新刊ガイド、生活クラブ通販カタログ「本の花束」2015年1月号、福祉新聞2015年3月9日号「ブックエンド」欄、『女性学』2014 Vol.22「書評」、生活クラブ通販カタログ「本の花束」2015年6月3回号、『婦人之友』2015年8月号「Book Review」

生まれた人たちの声を聞いてほしい!

 本書は非配偶者間人工授精(AIDあるいはDI。夫以外の第三者から提供された精子を用いた人工授精)で生まれた人たちが、自分たちの体験を、自分たちの言葉で綴ったものです。
 不妊治療の一つであるAIDは60年以上にわたり行われてきたにもかかわらず、秘密にされ、生まれた人の声はこれまでほとんど顧みられることがありませんでした。最近は、AID以外に卵子提供や代理出産など第三者の関わる生殖技術が行われはじめていますが、その是非を論ずるとき、生まれた子どもの声を知ることは必須です。
 AIDで生まれた人が何を思うのか、育つ家庭で何が起こっているのか等々、まずは長い歴史のあるAIDの実情に目を向け考えてほしいと願い、本書はつくられました。法整備に向け、この技術を社会全体がどう受け止めるのか議論するためにも必読の書です。

目次
■AIDで生まれた子どもの声(当事者6人の手記)
・生まれた人たちの声を聞いてほしい
・なぜ遺伝上の父親を知りたいのか
・子どもの人生は子どものもの
・モノのようにやり取りされつくられることはあってはならない
・DNAに秘密あるらし神の留守
・今も大好きな母だからこそ母を信じきれないことが悲しい

■座談会( 参加者:当事者4人と研究者)
当事者に会って変わったこと/母親との関係/父親に対してはどう思う?/母親に対して“裏切られた” という感覚が強い/当事者として発言して/身近な人に話せない/子どもを「生んでしまった」/怒りのもと/この技術についてどう思うか/出自の権利が認められても違和感は消えない/医者に腹が立つ/親がレズビアンやシングルなら?/どうしたら生きやすくなるか

■当事者とは誰なのか(長沖暁子)
第三者の関わる生殖技術/生殖技術に関する規制/出自を知る権利/生まれた人の声/親たちはなぜ子どもにAIDで生まれたことを伝えないのか/精子提供者/何が必要なのか/なぜ子どもが欲しいのか、家族とは何か

著者
非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ
(DOG: DI Offspring Group)
AID(非配偶者間人工授精)で生まれた当事者同士が、一人で悩まず互いに話し合える場をつくることを目的として、2005年1月から活動を始める。また、AIDの抱える問題について、今まで語られることのなかった生まれた人の立場からの意見を明らかにし、この問題についての理解を、社会に広く訴えていくことも行っている。

長沖暁子(ながおき・さとこ)
慶應義塾大学経済学部准教授。2003~05年度科学研究費による研究で「AID当事者の語りからみる配偶子・胚提供が性・生殖・家族観に及ぼす影響」の代表研究者となり、生まれた人等からインタビューを行う。著書に「出自を知る権利」(『シリーズ生命倫理学第6巻 生殖医療』菅沼信彦・盛永審一郎編、丸善出版、2012年)ほか。

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