紀見峠を越えて
岡潔の時代の数学の回想

高瀬正仁 

四六判上製 272頁 定価(2300円+税)
ISBN978-4-907961-01-5 C0040
2014年7月18日発行
日本図書館協会選定図書

装幀:臼井新太郎


■書評:『週間読書人』(8/29号、評者:佐々木力氏)、『週刊新潮』9月11日号「Bookwormの読書万巻」欄


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岡潔に寄せる渾身のオマージュ!

解決の当てのない難問をみずから創造し、何らの打算も行わず、百尺竿頭なお一歩を進める気魄をもって数学研究に打ち込んだ岡潔。その岡潔に15歳で出会い、爾来半世紀、岡のあとを追い続け、ドイツ数学史の構想を打ち出すに至った著者の学問とこころの軌跡。

「紀見峠を越えて」は
魂をもって書いた作品である
(高瀬正仁)


目次
■紀見峠を越えて
 一 紀見村へ
 二 空手還郷
 三 四日間の数学史
 四 百姓と数学
 五 純粋な日本人
 六 己事究明
 七 日本民族
 八 光明会
 九 楽興の時

■鳥道は東西を絶す
 鳥道は東西を絶す
 岡潔の晩年の夢―内分岐域の世界
 ドイツ数学史の構想
 岡潔とドイツ数学史
 近代数学史における岡理論―理論形成への道と研究様式をめぐって
 寺田物理学と岡潔の情緒の数学

著者
高瀬正仁(たかせ まさひと)
昭和二十六年、群馬県勢多郡東村(現在、みどり市)に生れる。九州大学基幹教育院教授。専門は多変数関数論と近代数学史。平成二十年九州大学全学教育優秀授業賞受賞。二〇〇九年度日本数学会賞出版賞受賞。
著書:『評伝岡潔 星の章』(海鳴社、平成十五年)、『評伝岡潔 花の章』(海鳴社、平成十六年)、『岡潔 数学の詩人』(岩波新書、平成二十年)、『岡潔とその時代 評伝岡潔 虹の章』「Ⅰ 正法眼蔵」「Ⅱ 龍神温泉の旅」(みみずく舎、平成二十五年)、『近代数学史の成立 解析篇 オイラーから岡潔まで』(東京図書、平成二十六年)。訳書:『ガウス整数論』(朝倉書店、平成七年)、『オイラーの無限解析』(海鳴社、平成十三年)、『ヤコビ楕円関数原論』(講談社サイエンティフィク、平成二十四年)他。

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