精神医療の現実
処方薬依存からの再生の物語
嶋田和子 著
四六判並製 224頁 定価(1900円+税)
ISBN978-4-907961-02-2 C0036
2014年11月15日発行
2018年10月10日2刷発行
■電子書籍版
2017年8月1日発行
装幀:西田優子
ブログ「精神医療の真実 聞かせてください、あなたの体験」を通し、わらをもつかむ思いで連絡をしてきた当事者や家族。彼らとのメールのやりとりから、処方薬依存の理不尽で苛酷な現実が浮き彫りに。薬を減らすことに決めたものの、離脱症状に七転八倒する人。あまりの苦しさに再服薬を決意する人。長年続いた多剤大量処方のため減薬すらできない人。離脱症状を乗り越えて断薬に至る人……。これら9のケースに学び、処方薬依存からの再生の道を探る。
●処方薬依存とは……
精神科などで処方される向精神薬の服用で薬物依存になること。多くは医師の指示通りに薬を服用した結果であり、医原病といえる。
■書評:「福祉新聞」2015年新春特別号「ブックエンド」欄、「ふぇみん」2015/1/25号書評欄、「社会新報」2015/3/4号「本の紹介」蘭、「図書新聞」4/4号
●目次●
第一章 九年間の闘いからの脱出
ケース1 千春さんの場合――夫からのメール
第二章 流行病としての双極性障害
ケース2 マキさんの場合――うつ病治療一〇年
■コラム1 うつ病キャンペーンとセットで現れたSSRI現象の罪深さ
■コラム2 がっかりする抗うつ薬
■コラム3 病気じゃない人がいなくなる? DSMという診断基準
第三章 ベンゾ離脱症候群の罠
ケース3 柳田さんの場合――服薬七年、アリ地獄からの脱出
■コラム4 ベンゾジアゼピン考
第四章 一気断薬はつらすぎる
ケース4 諭史さんの場合――デパスの一気断薬による遷延性離脱症状
ケース5 智子さんの場合――医師による一気断薬
■コラム5 やっぱり「電パチ」はあかん
第五章 難治性統合失調症という医原病
ケース6 由美子さんの場合――「薬は何を飲みたいですか」
ケース7 祐介さんの場合――母親からのメール
ケース8 早苗さんの場合――父親からのメール
■コラム6 マーティン・ハロウの統合失調症の長期転帰に関する研究
第六章 再生の物語
ケース9 山路さんの場合――数々の薬害を乗り越えて
●著者●
嶋田和子(しまだ かずこ)
1958年生まれ。早稲田大学卒業。1987年からフリーのライター。2010年6月にブログ「精神医療の真実」を立ち上げて体験談を募る。
主著:『私たちが、生きること』(ありのまま舎編、新潮社)、『大きな森の小さな「物語」――ハンセン病だった人たちとの十八年』(文芸社)、『ルポ精神医療につながれる子どもたち』(彩流社)。
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